人事DDで必要となる法律知識は労働基準法をはじめ労働関係にまつわる法律に始まり、一部の税法まで理解しておく必要があります。加えて今回のケースでは、自社に無い技術を持ってこられるかどうか、すなわち優秀な技術者を繋ぎ留めておくことが可能かどうかといった情報収集力や社員対応といったソフトな面も必要となります。
私がB社の人事DDを行った際に最もリスクを感じたのは、未払い賃金の存在でした。買収することで未払い賃金も購入することになるわけです。未払い賃金の具体的な額は伏せますが、人数の割に相当な額でした。しかし結果的に私は、その買収にGO判定を付けて経営者にレポートしました。
買収の目的は自社に無い技術を手に入れること、必要なのは優秀な技術者が辞めずにA社に合流してくれることです。そこで私が採った行動はこうでした。まず初めに100名全員との面談を行いました。短期間に100名との面談を行わなければならず、なおかつ面談では本音を語ってもらう必要があります。